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目次
「Dr.キリコ～白い死神～」1巻 のネタバレと感想と
今日、紹介するのは、
原作：手塚 治虫 先生、脚本：藤澤 勇希、漫画：sanorin、協力：手塚プロダクション の
「Dr.キリコ～白い死神～」1巻 です。
ぜひ、紹介文を読んで、試し読みしてください。
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「Dr.キリコ～白い死神～」1巻 のネタバレと感想と ここがおもしろい
手塚治虫の名作「ブラック・ジャック」に登場する
ダークヒーロー中のダークヒーロー Dr.キリコが帰ってきた！
1話完結のスタイルそのままに今日も誰かを安楽死させる
殺人ではない
安楽死に強いこだわりを持ち、客の要求に応える
高額な料金を取り、人を安楽死させる
人生の終焉を望む人間の最後の願いとは何か？
そこにはどんな想いがあるのか？
だから、「Dr.キリコ～白い死神～」1巻 はおもしろい^^
「Dr.キリコ～白い死神～」1巻 のネタバレと感想と 今回のストーリー
1巻では
- 殺す医者
- 延ばされる命
- 託される願い
- 死神と信仰
- 救わざる髪
- 生ける死体
の6話が収録されている。
今回は、3話 「託される願い」 を紹介する。
第3話「託される願い」
「先生！ せがれを助けてやってくれ!!」
そういって駆け込んできたのは貧しい身なりをした日雇い労働者風の男だった。
そのなりからどこの病院でも相手にされずキリコのところへやって来たのだという。
「ぜったいに払ってみせる！」
その子は虫垂炎と腹膜炎を発症していた。
キリコは保険を扱っていないここではなくまっとうな病院へ行けと言う。
全額自己負担だと130万円は必要だというキリコに
どこへ行っても門前払いだから手術をしてくれと依頼する父親だった。
「俺も男だ 倅の命を値切るようなマネはしねぇ！ 絶対払ってみせらぁ」
「命を救うための手術は久しぶりだな…」
その男の息子 郁馬の手術は無事終了した。
その夜、キリコのもとを抜け出し家に帰ろうとする郁馬。
「父ちゃんは料理も洗濯も出来ねぇから俺が面倒みてやんなきゃ…」
「バカか⁉ 傷口が開いたらどうする!! 入院が長引けばそれだけ治療費がかさむんだぞ」
その言葉に仕方なしに安静にする郁馬だった。
翌日、父親が現れ治療費を支払った…1万円…
「…なんだ？ 日割で払おうってのか⁉」
父親は「毎日1万円ずつ払えば4ヶ月ちょっとで完済だ」と得意げにいった。
起き上がれるようになった郁馬はごはんを作りキリコの世話をした。
そして数日後、郁馬は無事、退院した。
しかし、その時の迎えに来た父親の顔色はとても悪かった。
雨の夜に
土砂降りの雨の日に郁馬がキリコの元へやって来た。
「…キリコぉ 父ちゃんを助けてっ… キリコぉ…」
キリコの診たては郁馬がいないときに栄養が偏った、糖尿病性胃炎。
大病院で看てもらうと ほかに 壊死した足の切除、他の臓器の機能不全。
手術費用で500万円。臓器補助設備で2000万円。入院治療費が1日20万円ということだ。
「この患者さん 保険証もっておられませんね？ 払えます？」
「はっ払うよ！ 俺が払う!! 何十年かかったって…」懇願する郁馬。
「払うってキミ 未成年でしょ？」
押し問答が続く…その時
「俺が一旦、立て替える」
「えっ？」
「えっ？」
「一括で払っておく それで文句あるまい」
「キリコ…」
「いいか？ くれてやるワケじゃない お前は何十年かかっても俺に返すんだ！」
「しかし、意外ですなぁキリコ先生 『死神』と噂されるあなたがねぇ」
「ふんっ この患者にはまだ100万の貸しがあるんだ。死んでもらう訳にはいかんのでな」
この程度のオペ
キリコは大病院の院長に真面目に手術するようくぎを刺す。
「オペ中に万一のことがあった時はあんたんとこの医療ミスって事でいいな？」
それに対し、「結構ですよ。この程度のオペ ウチにとっちゃどうってことないんでね」
手術が無時に終わり一命はとりとめたという院長。
よろこぶ郁馬。
その時だ、「先生、大変です!! 患者が急に苦しみだしてっ」
「血圧が急激に低下し始めました！」
「血圧下がり続けています!!」
「先生このままでは!!」
「心拍数低下」
「ど…どういうことだ…⁉」
「うっ ぐあぁっ」
父の死
「3000万ある 簡単な手術で患者を死なせた。風評被害を立てられるよりは金を払って解決したほうがマシってワケだ。親父さんが遺してくれた金だぜ お前さんのものだ」
その言葉に郁馬は、「残り…100万だったろ… それと…いくら？」
「なにが？」
「トボケんなよ… 父ちゃんを殺したのはキリコだろ？」
「聞こえていたのか…」
父の想い
つまりこうだ。
もうまともに働くことも出来なくなり、この先、金を食いつぶすことしかできなくなった自分は郁馬に苦労をかけたくない。
息子に借金も背負わせたくない…というのだ。
「これじゃあ、女房にあわせる顔がねぇ…」
「ひとつ提案がある。『リシン』と言ってな…旧ソ連時代のKGBが暗殺用に使っていた劇薬だ。あのお坊ちゃん先生じゃ思いつきもしないだろうよ」
「俺を恨むか？」
「はは…父ちゃんのやりそうなことだぜっ …高いんだろその薬… い…いくら… いくら払えば…」
郁馬は涙でことばが続かない…
「はら…は…はらえ…ば …っば いっ …いいのっ …」
「…リシンで死ぬのは楽じゃない 安楽に死なせられなかった以上 金をもらう筋合いはない」
「Dr.キリコ～白い死神～」1巻 のネタバレと感想と 読んでみた感想
なんというか…とても懐かしいだけでなく、いまふうにアレンジされた爽快感がとても小気味いい^^
ブラックジャックは確かに名作中の名作だ。
物語の本質は最高に素晴らしいのだが、しかし時代が移り変わり、古くささはいがめない。
これまで、手塚先生の作品をリメイクした漫画家もいたが、キレが全くなくなっている。
このDr.キリコはブラック・ジャックをリメイクするのではなく、
ブラック・ジャックのキレ、爽快感、ダーティさ、おもてには出さない思いやり
そんなものを死神キリコに植え付けたところが本当に素晴らしい。
しかも、ブラック・ジャックのような神業オペを繰り出すわけではない。
それがなおさらにストーリーに深みを持たせている。
なぜなら、手術の技術や難病に重きを持たせない分、ストーリーが重視されるからだ。
そればかりか今回紹介した「託される願い」ではブラック・ジャックの人気ストーリーを彷彿させる
「絶対払ってみせる」
というセリグが引用されている。
そしてキリコならではの…いや、そういえばブラック・ジャックも時々やっていた、
病院をだますこともやってのける。
ひとつ残念な点を挙げるとすれば人情味が強く冷酷さに欠ける。
冒頭に紹介したDr.クマひげに近い感じだ。
今後のストーリーでキャラを育ててほしいと思う。
ブラック・ジャックの本質的な面白に加え、倫理観よりも人情にウエイト置いた本作は満足いくものだった。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。次巻はこちらから^^どうぞ
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「Dr.キリコ～白い死神～」2巻 のネタバレと感想と 手塚治虫の不世出の名作ブラック・ジャックのDr.キリコ再び
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